Vol.19
フィンガーフードから広げる新しい紅茶のアプローチ
舟本孝子さん
日本紅茶協会認定シニアティーインストラクター(15期)
Tea & Finger Food Teafairy 主宰
2025年9月日本ティーインストラクター会主催Otonami 紅茶講座「おうちアフタヌーンティーの為のティーフーズ~フィンガーフードで可愛く華やかに」を担当
日本フィンガーフード協会ディプロマ校認定講師
フィンガーフード初心者からレシピの幅を広げたい講師まで対応の「フィンガーフード・スタイリスト」資格取得講座を開催中。
紅茶セミナーの他、おうちアフタヌーンティーにも役立つフィンガーフードレッスンを開催している。
Q.紅茶との出会いを教えてください。
幼少期から母が淹れる紅茶に親しんでいましたが、大きな転機は30 年以上前の夫のロンドン駐在です。本場の紅茶文化に触れたことで、改めて深く興味を持ちました。
当時はインターネットがなく情報が限られていましたが、現地の紅茶店やスーパーで紅茶を買い、自宅でクリームティーを楽しむなど、暮らしの中で経験を深めていきました。
Q.シニアティーインストラクターを目指したきっかけは?
イギリスから帰国後に紅茶を深く学びたいと思い、青山の紅茶教室に通い始め、「ティーインストラクター」の資格を知りました。しかし、静岡での一泊二日の茶業研修が必須など、当時の私にはハードルが高かったため、10 年の長期計画を立てて念願のティーインストラクター(ジュニア)の資格を取得しました。その後は多くの紅茶セミナーを開催してきましたが、経験を積むほどに「もっと深く学ばなければ」という思いが強くなりました。
資格取得から5年、講師としてのさらなるステップアップを目指し、シニアティーインストラクターへの挑戦を決めました。
Q.紅茶の魅力やご自身の紅茶に対する思いをお聞かせください。
紅茶は日常の安らぎから優雅なひとときまで、様々なシーンに寄り添ってくれる飲み物です。淹れる時の香りや茶葉ごとに異なる個性は、いつも私たちを魅了してくれます。
かつて紅茶セミナーのみを開催していた頃は気が付きませんでしたが、フィンガーフードのレッスンを始めてから「普段紅茶を飲まない方」がいかに多いかを知りました。
フィンガーフードのレッスンでは、ウェルカムティー、ご試食時にはスパークリングティー、ホットティーをお出ししています。フィンガーフードをきっかけに来られた方が、紅茶の美味しさに目覚めて興味を持ってくださる時があります。そのような瞬間に立ち会えることが嬉しく、これからも形にとらわれず紅茶の魅力を伝え続けていきたいと考えています。
Q.おうちアフタヌーンティーを開く際に、作りやすくておすすめのフィンガーフードのポイントを教えてください。
大切なのは、すべてのメニューを初めてのレシピで挑戦しないことです。普段の夕食で作っている料理を、小さくカットしたり盛り付けを工夫したりして「少しアレンジ」する。さらに、市販品も上手く利用する。これが、無理なく華やかなフィンガーフードを作る一番のポイントです。
Q.フィンガーフードに合わせる紅茶について、心がけていることなど教えてください。
紅茶とフィンガーフードがお互いを引き立て合う「テーマ」と「調和」を心がけています。メニュー作りでは、季節のフィンガーフードに合わせて紅茶を選ぶこともあれば、紅茶のテーマに合わせてフィンガーフードを考えることもあります。
その際、一番のポイントは「フレーバーや香料の強い紅茶は避ける」ことです。
個性が強すぎる紅茶は、フィンガーフードの繊細な味を消してしまいます。どちらか一方が主役になるのではなく、両方の美味しさをより深く楽しんでいただけるよう、毎回ベストな組み合わせを考えています。
Q.皆さんへ伝えたいことをご自由にご記入ください。
ティーインストラクターの資格を取ったばかりの頃、荒木安正先生から「細く長く紅茶と関わっていくことが大事」というお言葉をいただきました。レッスンを続けていると、思うようにいかない時期も必ずあります。しかし、そこで諦めるのではなく、地道に続けていくこと。これは常に私自身にも言い聞かせている大切な信念です。
誰かと比べるのではなく、自分なりのペースでこれからも一人でも多くの方に紅茶の美味しさを届けるために、いつまでも細く長く、紅茶のある暮らしを伝えていきたいと思っています。